2011年2月27日日曜日

【学習1–1】拍と小節



ラップを演奏するための近道は、まず音楽についての基礎的な知識を得ることです。

【学習1】では、

・拍と小節の数え方
・ダイアグラムの見方
・韻の定義

を覚えることによって、ラップをするための土台となる「リズム」の基礎を覚えていきます。

拍について

まず、曲を1つ用意してください。どんな曲でも構いません。
次にその曲に合わせて手拍子をしてみてください。その手拍子が1拍です。


分かりやすいように、手拍子と完全に同期するメロディとして、
パフューム「ポリリズム」を例に挙げます。


(0:07から)

とても大事な
キミの想いは
無駄にならない
世界は廻る
(※表1。譜割りについては、PDFを参照。)

イントロの「とてもだいじな~」の箇所が、一文字と手拍子がそれぞれ合うはずです。
この拍のことを英語では「beat」と言います。


よく聞く「BPM」という言葉は「beat par minutes」の略で、「1分間に拍はいくつあるか」という意味です。
「ポリリズム」に合わせて1分間手を叩いたとして、もし130回叩いたのなら、「ポリリズム」のBPMは130です(bpm=130)。


このように、拍は数えることができます。
「ポリリズム」のイントロを例にとれば、最初の休止が1拍目。
次の「と」が2拍目。「て」が3拍目。「も」が4拍目となります。


■小節について

では、その次の「だ」は5拍目、「い」は6拍目、「じ」は7拍目と、拍は無限に増えていくのでしょうか?

一般的には、そのように考えることはありません。
というのも、たいていの曲は4拍をひとつの区切り、1小節として数えるからです。
つまり、手拍子4回が1小節分に相当します。
例に戻せば、「だ」は5拍目でなく、次の小節(2小節目)の1拍目となるわけです。
なので、「きみの」は3小節目、「想いは」が4小節目となり、このイントロは全部で8小節と数えることができます。

ちなみに、全ての曲が4拍=1小節というわけではありません。
たとえば童謡の「ぞうさん」は3拍で1小節となりますし、
ジャズのスタンダードとして有名な「Take Five」は、その名の通り5拍で1小節です。
手拍子をして計ってみると、より分かりやすいです(「Take Five」は3拍+2拍のイメージで叩くとよりリズムに乗れます)。



2011年2月23日水曜日

はじめに

現在、日本では雑誌・ブログを問わず、日本語ラップに言及した記事は昔と比べて圧倒的に増えました。

とくに、「いま」を重要視するヒップホップはインターネットとの相性がよく、成功を夢見るラッパー・トラックメーカーがyoutubeに音源をアップし、これらをまとめて紹介するサイト—「日本語ラップ.com日本語ラップ」や「日本語ラップニュース BLOG」が手助けする。という、ある種の協力関係も整っています。

なので、日本語ラップに少しでも興味を持ち毎日数10個のニュースや音源に触れていれば、その花を咲かすことは容易でしょう。

そこで、このように日本語ラップが熟成した今なら、トラックやリリックを中心とした批評だけではなく、ラップそのもののテクニックについて研究したサイトを作れるのではないか。
つまり、ピアノやギターやボーカルのテクニックを公開する書籍・サイトがあるように、ラップを一つの「技術」として認め、これを分析・研究してみよう。いうことで始めたのが、このブログです。

ちなみに私は、趣味で実際にラップをしています(サイトはこちらへ)。
しかし、自分で言うのも辛いですが、いわゆるスキルはありません。なので、この研究を通して自身のスキルも高めることが第2の目標です。

最後に、アメリカではラップをハウツーとして教える、その名も『How to Rap』という書籍が去年発売されています。
このブログが日本版『How to Rap』となるように頑張りますので、これからよろしくお願いいたします。